チョココロネの思い出

彼女は、気まぐれで、表情がくるくる変わる、猫のような女性だった。

仲良くなれたかな?と関係を詰めようとしすぎると、
「あなた、踏み込みすぎ!」と叱られたり、

逆に一歩ひいて進めようとすると、
「結局は人ごとなんでしょう?」と怒ったり。

美人で、病床でもどこか華やかで、怒ったり笑ったり、
優しかったり意地悪だったり、いろんな表情を思い出す。

初めてお会いしたときから3ヶ月とすこし。あまりに早いお別れだったな。
彼女の安心や幸せに、少しは貢献できたのか?
もっとできることはなかったのか?
グルグルと考える。

亡くなる一週間前に見せた、
「私これからどうなっちゃうのかしら?」とすがるような顔を思い出す。
「大丈夫ですから心配しないで。大丈夫だから」とかけた言葉は、
すこしは救いになったのだろうか。

 

まだ食事をとれていたころ。
「あのパン屋さんの、甘いパンが美味しいのよ。特にクリーム系のパン」
と、珍しく食べ物のお話をされた。

「通り道だし買ってきましたよ!焼きたてですよ〜!」と、
いそいそとクリームパンを差し出した私に、
「全然違うじゃない、私が食べたかったのはチョコレートクリームのパンよ」
とつれないお言葉。
え?!まさかのクリームちがい?!
「じゃ、つぎはチョココロネ買ってきますね。」と約束した。

 

次はなかった。
その後すぐに入院されてからは、ゼリーしか食べられなかったと聞く。
最後に食べたいものを食べさせてあげられなかった後悔が残る。

意味はないかもしれないけど、棺にチョココロネをそっと入れた。
意味はないかもしれないけど。

これから、私が彼女のためにできることはまだ残されている。

彼女がなによりも大切にしていた、
灰色の美しいネコが幸せな暮らしを手に入れられるように。
彼女が心配していた、親戚の方へのご負担がないように。

ここからがんばる。

空の上から、いつものニヤリとした笑顔で「あなた、なかなかやるじゃない」と言ってもらえるように。

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にしざわゆみ司法書士事務所
司法書士 西沢優美
☎ 0466-29-1155
✉ 2438@nishizawayumi-shiho.com

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医療と法律?!

9月14日、「おうちの診療所 目黒」の皆さまに、後見制度についてオンラインでお話する機会をいただきました!

「おうちの診療所 目黒」は、健康にかかわる悩みや不安を総合的に診療してくださる診療所です。また、自宅で安心して療養生活が送れるように、在宅医療にも力を入れていらっしゃいます。

医療の専門家の皆さんが、法律分野である成年後見制度に関心を持って、真剣に聞いて下さったり、質問をしてくださったことが印象的で、とてもうれしかったです。

こうやって、それぞれ自分の専門分野以外のことを少しでもわかっていることで、目の前にいる方の生活をよりよくすることができるんだと、改めて実感しました。

人の生活は、法律や財産だけでも、医療だけでも、介護だけでもない、いろんな要素でできあがっているとおもうのです。食べること、家族のこと、好きな芸能人のこと、趣味・・・・人によって異なる、さまざまな要素です。

それぞれ、自分の得意なことで、目の前の方をサポートすること。
プラス、それ以外の要素でも、その方を幸せにできることを自覚し、
適切につないであげることで、立体的に一人一人の幸せを実現できるような気がしています。

わたしも、日々勉強です!!

 

 

成年後見制度とは?

 

 

 

 

自分で人生の舵取りをすることができているか?

 

当たり前のことのようですが、なかなか実行できている人は少ないんじゃないかと思います。自戒も含めて。

とくに最近、ご主人を急に亡くしてしまった奥様と関わるなかで感じること。

ご夫婦の役割分担として、家の修理、保険、大きなお買い物、引っ越しなど、いろいろな重要な判断はすべてご主人が行い、奥様は家事や炊事に専念してきた場合、

ご主人が亡くなられたときの奥様のその後の人生がとても困難なものになってしまいます。(もちろん逆も然りですが・・・)

あまりの困難に、パニックになったり、現実逃避したり、ときには精神的に参ってしまって鬱状態になってしまうことも。

ずーっとご主人に守られて自分で判断してこなかったのに、ご主人が亡くなられたとたん、そのさみしさの最中に、「あなたはこれからどうするの?」「どんな生き方をしたいの?」「誰と住むの?」「家はどうするの?」という難しい判断を迫られることになるのですから、当然ですよね。どんなにしんどい毎日か・・・

とくに子供がいないという方は、他に委ねられる子供もいないのですから、なおさら大変です。

一方、ご主人を立てつつも、自分で考え行動してきた奥様は
切り替えが早く(笑)、さぁつぎは自分の人生どうしようか?と前向きに なられたりする。

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何かに流されて生きていないか?

ご夫婦間でなくても、

親、先生、上司、夫(妻)、子供、テレビ・・・
「○○が言うから」といって、自らが進む道を誰かにゆだねる生きかたは
ある意味ラクでしょう。

うまくいかなかったら○○のせいにすればいいし、それで人生を通せれば、自分の心を守るための一つの生き方としていいかもしれない。

でも人生の終盤に、急に「あなたはどうしたいの?」と自分の意見を迫られる事態があるということ、そのときにどう対応できるかこそが人生を生き抜く力だということを、人生の先輩方から教えてもらっています。

自分で判断できる力を身につけることこそが、
「老い支度」の根本なのではないか?と感じる毎日です。

私は、自分で人生の舵を取りたい。

そして自分の子供たちにもそういう人間であってほしいと願います。

 

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一人暮らしでペットを飼うときに考えておかなければならないこと

「わたしが倒れたら、飼っているペットたちをどうしたらいいのか?」

このようなお悩みについて相談をお受けする機会があります。

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コロナ禍のいま、この問題は高齢者の方だけでなく、おひとり暮らしでペットを飼うすべての方に共通する問題です。

もし私が突然救急車で運ばれたら・・・
エサは?水は?トイレの処理は?室内の温度は?
飼い主がいなければ、ペットたちは生きていけません。

「そのときは、私が責任をもって殺さなければならないと覚悟している。」とおっしゃっていた80代の女性もいました。

高齢のおひとり暮らしの方にとっては、心のよりどころになったり
さみしさを癒してくれたり、わが子のように感じている方も多いでしょう。そのペットをこの手で殺してしまわなければ・・・とおっしゃるのはどんなにつらいことか。大切なペットを守るために、今から準備できることをまとめてみました。

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  ①万が一の時に一時的に預かってもらえる人を何人かつくっておく
  ②ペットの情報をまとめて書き残しておく
  ③自分が飼えなくなった後のペットの行き先をイメージし、必要が

   あれば法的な準備を整える。

①万が一の時に一時的に預かってもらえる人を何人かつくっておく

万が一というのは急に起こるものです。
急に倒れたときに即対応できるように、一時的な預け先を考えておきましょう。相手にもその時の事情があるので、複数あるとなおいいです。

相手にお願いする時のポイントはあくまで「一時的」ということ。
信頼できる方が生涯飼ってくれるなら願ってもないことですが、まずは「一時的」とお願いする方が、引き打受ける側としてもハードルが下がります。

一時的な預け先としてはペットホテルという選択肢もあります。
送迎をしてくれるところもありますし、元気なうちから試しに預けてみるのもいいかもしれません。

②ペットの情報をまとめて書き残しておく

自分ではないだれかにお世話してもらう以上、ペットの情報、個性、これまでの飼い方を伝える必要があります。

年齢、種類、ワクチン接種の有無、去勢・避妊をしていること
ノミ・ダニの食べているエサ、散歩の回数、性格、病気や薬の情報などなど

自分がいざそのときに話せない状態になっているかもしれないことを念頭に置いて準備しましょう。

③自分が飼えなくなった後のペットの行き先をイメージし、必要があれば法的な準備を整える。

たとえば・・・

・ペットと入れる介護施設を検討しておく。                最期までペットと暮らしたいというニーズから、少しずつペットと入れる介護施設も増えてきています。元気な時から、施設の予算や条件を調べたり、見学に行ってみてイメージに合うか考えておくのもいいでしょう。

・老犬ホームや老猫ホームの検討
これも最近増えてきている、犬や猫が高齢になったときに「預かり料」を支払って預かってくれる老犬ホームや老猫ホーム。高齢で介護が必要だったり持病のあるペットも預かってくれるので安心です。自分が亡くなった後も自分が遺した財産から預かり料を支払い続けられるように、遺言やペット信託といった法的なスキームを使って準備しておくことも必要です。

・信頼できる家族や親せき、友人に飼ってもらえるよう交渉する。
そのためには、飼うための費用を自分の財産から渡すことも必要です。

遺言や、財産管理委任契約・任意後見契約、家族信託契約など法的な
スキームをつかって、ペットが困らないように、引き取ってくれる方が
安心できるように、費用を渡しましょう。
ペットを介してできた友人とお互いに約束しておくなど、お互い様の関係性を作っておくこともも一つのやり方です。

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ペットの生き方を考えることは、自分の生き方を考えることにもつながります。

もしものことを考えるとき、かわいいペット守るためと思えば準備する気持ちになる方も多いのではないでしょうか?

大事なのは、預け先が信頼できる人(団体)かどうか。倒れてしまって余裕がなくなったときではなく、元気な今から、預け先として適切かどうか見極める意味でも準備をしましょう。

そして、預け先が決まったら、それを実現するために法的な手続きをお忘れなく。具体的なやり方はそれぞれに適した方法が異なるので、司法書士などの専門家に相談されることをお勧めします。

 

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「ドーナツを食べた入所者が死亡」逆転無罪判決について思うこと

7年前、長野県の特別養護老人ホームでドーナツを食べた入所者が死亡し、
准看護師が業務上過失致死の罪に問われた裁判で、
2審の東京高等裁判所は、罰金刑とした1審の有罪判決を取り消し、
無罪を言渡しました。

人手が足りないなか、命を預かるプレッシャーを抱える介護業界の皆さんにとって、有罪判決を出した第一審は衝撃的だったことと思います。
罪に問われた准看護師の方にとっては、
本当につらく長い期間だったことでしょう。

司法はゼロリスクを求めるのか?
それならば、本人の希望や家族の希望をさておいても、とにかくリスクをなくすという選択肢を取らざるを得なくなる。

ひいては、自分が年をとったときに、リスク回避という大義の名のもとに
「動くのは危ないからダメ」と拘束されたり、
「認知症になったら栄養ゼリーしか食べちゃダメ」と好きなものも食べられなくなる世の中になってしまう・・・

 

本来は、こういったことはゼロか百かという問題ではなく、
本人、家族、介護、医療、そのほか関わる皆が話し合って方法を決めるもので、画一的な正解はないはず。

リスクを減らしながらどう本人の希望に寄り添うか?
そのためにできることは何か?
ぎりぎりの線はどこか?

その話し合いを経て出たこたえであれば、たとえ残念な結果になったとしても
ご家族にも納得感があり、民事裁判で損害賠償請求という動きには
なりにくいだろう。

 

ましてや今回のように刑事事件として個人を告訴するようなことは
あってはならない。
(警察や検察による事実認定にも怪しいところがあったようだし・・・)

 

そもそも法治国家である日本の裁判は、
善か悪かを裁判官が漠然と断罪するものではなく、
「法律」という人間が作った枠組みの、「罪」という人間が作ったカテゴリーに当てはまるかどうか、と判断するもの。

ともすれば、残念ながら、第一審のように市民感覚からしてとんでもない判決が出てしまうこともあるが、

今回の控訴審では、介護現場の切なる声と世論によって、より現場に即した結論が出て本当に良かった。

司法によって、高齢者の生きる自由を奪ってしまうようなことにならなくて
本当に良かった。

わたしも、年をとっても、自由に好きなものを食べたい。

 

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