「わたしが倒れたら、飼っているペットたちをどうしたらいいのか?」
このようなお悩みについて相談をお受けする機会があります。
コロナ禍のいま、この問題は高齢者の方だけでなく、おひとり暮らしでペットを飼うすべての方に共通する問題です。
もし私が突然救急車で運ばれたら・・・
エサは?水は?トイレの処理は?室内の温度は?
飼い主がいなければ、ペットたちは生きていけません。
「そのときは、私が責任をもって殺さなければならないと覚悟している。」とおっしゃっていた80代の女性もいました。
高齢のおひとり暮らしの方にとっては、心のよりどころになったり
さみしさを癒してくれたり、わが子のように感じている方も多いでしょう。そのペットをこの手で殺してしまわなければ・・・とおっしゃるのはどんなにつらいことか。大切なペットを守るために、今から準備できることをまとめてみました。
①万が一の時に一時的に預かってもらえる人を何人かつくっておく
②ペットの情報をまとめて書き残しておく
③自分が飼えなくなった後のペットの行き先をイメージし、必要が
あれば法的な準備を整える。
①万が一の時に一時的に預かってもらえる人を何人かつくっておく
万が一というのは急に起こるものです。
急に倒れたときに即対応できるように、一時的な預け先を考えておきましょう。相手にもその時の事情があるので、複数あるとなおいいです。
相手にお願いする時のポイントはあくまで「一時的」ということ。
信頼できる方が生涯飼ってくれるなら願ってもないことですが、まずは「一時的」とお願いする方が、引き打受ける側としてもハードルが下がります。
一時的な預け先としてはペットホテルという選択肢もあります。
送迎をしてくれるところもありますし、元気なうちから試しに預けてみるのもいいかもしれません。
②ペットの情報をまとめて書き残しておく
自分ではないだれかにお世話してもらう以上、ペットの情報、個性、これまでの飼い方を伝える必要があります。
年齢、種類、ワクチン接種の有無、去勢・避妊をしていること
ノミ・ダニの食べているエサ、散歩の回数、性格、病気や薬の情報などなど
自分がいざそのときに話せない状態になっているかもしれないことを念頭に置いて準備しましょう。
③自分が飼えなくなった後のペットの行き先をイメージし、必要があれば法的な準備を整える。
たとえば・・・
・ペットと入れる介護施設を検討しておく。 最期までペットと暮らしたいというニーズから、少しずつペットと入れる介護施設も増えてきています。元気な時から、施設の予算や条件を調べたり、見学に行ってみてイメージに合うか考えておくのもいいでしょう。
・老犬ホームや老猫ホームの検討
これも最近増えてきている、犬や猫が高齢になったときに「預かり料」を支払って預かってくれる老犬ホームや老猫ホーム。高齢で介護が必要だったり持病のあるペットも預かってくれるので安心です。自分が亡くなった後も自分が遺した財産から預かり料を支払い続けられるように、遺言やペット信託といった法的なスキームを使って準備しておくことも必要です。
・信頼できる家族や親せき、友人に飼ってもらえるよう交渉する。
そのためには、飼うための費用を自分の財産から渡すことも必要です。
遺言や、財産管理委任契約・任意後見契約、家族信託契約など法的な
スキームをつかって、ペットが困らないように、引き取ってくれる方が
安心できるように、費用を渡しましょう。
ペットを介してできた友人とお互いに約束しておくなど、お互い様の関係性を作っておくこともも一つのやり方です。
ペットの生き方を考えることは、自分の生き方を考えることにもつながります。
もしものことを考えるとき、かわいいペット守るためと思えば準備する気持ちになる方も多いのではないでしょうか?
大事なのは、預け先が信頼できる人(団体)かどうか。倒れてしまって余裕がなくなったときではなく、元気な今から、預け先として適切かどうか見極める意味でも準備をしましょう。
そして、預け先が決まったら、それを実現するために法的な手続きをお忘れなく。具体的なやり方はそれぞれに適した方法が異なるので、司法書士などの専門家に相談されることをお勧めします。
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にしざわゆみ司法書士事務所
司法書士 西沢優美
☎ 0466-29-1155
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